ごちそう濃厚トマトハッシュドビーフ。
ハッシュドビーフ、ハヤシライスがすきです。
子どもの頃、ハッシュドビーフ、ハヤシライスはカレーライスとはちょっと違って、なんだか特別な感じのする、ご馳走の一皿料理でした。
そういや、ハッシュドビーフとハヤシライスの違いってどこなんだろう。
実は違いがわたしはよくわかってなくて、どっちがどっちだ?と思いまして調べてしまいました。
ハッシュドビーフとハヤシライスの違い、言える?ビーフシチューは? - macaroni
上の記事だと
ハヤシライスはデミグラスソースではなく、トマトソースで煮込んだもの?と覚えている方も多いと思います。ですが、ハッシュドビーフもトマトソースで煮込むことがありますし、ハヤシライスもトマトソースではなく、デミグラスソースで煮込むこともあるのです。
ハッシュドビーフは日本生まれと書きましたが、西欧にもハッシュドビーフがあります。
というのも、タマネギなど刻んだ野菜と肉を煮込んだ料理のことを指す言葉だったのです。それをさらにデミグラスソースで煮込んだのものが、日本でのハッシュドビーフになったわけです。
とありまして。
つまりは曖昧だと。日本だとデミグラスソースの方をハッシュドビーフと呼ぶ、ハヤシライスはトマトソースの方、とわかる人が多いらしいのですが、私はそんなことも気がつかなかったです。なんとなくでハッシュドビーフだハヤシライスだと適当に呼んでましたね。
曖昧なら別にどっちでもいいのでは。
デミグラスソースでもトマトソースでも、ハッシュドビーフと呼ぼうがハヤシライスと呼ぼうが結局おいしければいいのでは。と思う。
そこまで調べてたら、たべたくなったので、トマトベースでハッシュドビーフ作ることにしました。
(トマトソースが主体ならハヤシライスと呼ぶ方がいいのかもしれないけど、とりあえず曖昧だと知ったので、ここではハッシュドビーフと呼び続けます。)
今回作ったのはこちら。
市販のデミグラスソース缶を使うとか、ルウを使うというやり方もありますが、とりあえず今回は一から自分で作ってみるぞ、と。
玉ねぎとマッシュルームとトマトがたっぷりのハッシュドビーフです。はい。
作るぞ、と思い立ってから、それなりにいろんなレシピを見たのですが、だいたいどのレシピも基本のベースは具材を炒めてそこに赤ワインやトマトジュース、固形ブイヨン、水などを加えて煮込む、というものでした。
濃厚なハッシュドビーフっておいしいですよね。
濃いハッシュドビーフをつくりたい。
味がぎゅっと詰まっているようなの。
カレーでもそうですが、どうしても濃くておいしい煮込み料理をつくるぞというとき、味を美味しくする工夫では、圧力鍋を使って、とか、すごく長時間煮込む、とかになりがちです。
でも普段のご飯を作るぞって時に、そんなにたくさん手をかけることをするかと聞かれると、わたしは難しいことも多いですし、誰でもそれができるか?と言われると厳しいのでは?とか思ってしまいます。手がかかりすぎるレシピは敬遠しがち。
少なくともわたし自身、結婚するまで圧力鍋は家にはなかったので使ったことはなかったですし、じゃあ何時間も煮込むか?というと、普段の生活で夕飯の支度に2時間3時間もかけられないので、わたしは少なくとも厳しい。体力的にも尽きてしまうのです。
そんなこと考えてながら、ふと、煮込み料理の時、水を使わない方が極上ソースに仕上がるので水はできるだけ使わない方がいい。というのを何かの本で目にしたことを思い出しました。
よし、じゃあ水は使わずに作ってみよう、ハッシュドビーフ。
牛肉は食べやすい大きさに切って、ソースを揉み込みつけておきます。
ビニール袋に入れるとやりやすい。
牛肉をつけている間に、玉ねぎは半分に切ってそれをさらに繊維に沿って1センチ幅に切ります。
マッシュルームも薄切りにする。
正直、マッシュルームを入れるか悩んだのですが、マッシュルームの出汁はいい味出してくれるので、入れてしまおうと。
キノコの出汁ってしっかりしているので、人によっては「極上ソースにしたいならキノコは入れない方がいい」という意見も見かけたりもします。ここは好みの問題なのでしょうか…。
さて、バターを溶かしたフライパンで玉ねぎとマッシュルームを炒めます。
玉ねぎに少し焦げ目がつくくらいに炒めていきます。
少し焦げめがあるくらいが味に深みが出る(気がする)。
でも焦がし過ぎないように気をつけて。
最初のソースにつけてある牛肉にすこし小麦粉をふり、玉ねぎとマッシュルームを炒めたフライパンに、つけていたソースごといれる。
牛肉の赤みがなくなったら、ハッシュドビーフのソースに必要不可欠な赤ワインを入れます。
今回は200ml。小さな赤ワインの瓶まるまる一本全部使います。
とろみをつけるための小麦粉を少しずつ振り入れ、固形ブイヨン、ローリエ、すりおろし生姜をいれる。
この時点で正直、紫色の鍋!!
赤ワインの色もあって、昔童話で読んだ魔女の大釜料理してる気分になったのはここだけの秘密です。
さて、その鍋を軽く混ぜて粉っぽさが消えたらカットトマト缶をくわえます。
(トマトジュースを使う方が洋食屋さんのハッシュドビーフ、ハヤシライスに近くなるとは思うのですが、トマトの味を出したかった。ついで我が家にはカットトマトが常備されているのです)
トマトを加えたら混ぜます。全体に行き渡るように。しっかり。
このまま強めの弱火で煮込みます。
水分量がトマトジュースを使うより少ないので混ぜる時は焦げ付きがないように、底からしっかり混ぜる。じっくりじっくり煮込むイメージ。
10〜15分煮込んだらトマトケチャップをすこしくわえて混ぜます。甘みの調整です。
煮込み始めてしばらく経ってからはずっとハッシュドビーフのいい匂いがキッチンに立ち込めていました。早く食べたくてたまらなかった。
最後に、隠し味に牛乳を少し。
この牛乳は入れなくてもいいし、人によってはこのみでドバッとがっつり入れてもいいと思うのです。
トマトの酸味をまろやかにしてくれるので、カットトマト使うなら入れる方がいいかなとわたしは思います。
混ぜ合わせて、塩コショウで味を整えたら完成。
トマトがベースのハッシュドビーフ(ハヤシライス)
この日は残っていたパンと一緒にいただきました。
カットトマトを使っているのでしっかりしたトマトの味がするハッシュドビーフに仕上がりました。濃い。ソースが濃い。
シャバシャバしているというよりトロッと、どろっとしている感じです。トマトジュースじゃない分、もう少し小麦粉減らしても良かったかも。
赤ワインとトマトに、キノコの出汁、さらに牛肉のうまみがぎゅっと詰まった感じです。トマトの酸味も甘みもしっかり感じます。
水を使わないだけでこんなに味が凝縮するんだ…。
洋食屋さんのハッシュドビーフはデミグラスソースが主流なので、これはやはり、日本にいる多くの人のイメージとしてはハッシュドビーフというより「トマトのハヤシライスソース(濃いバージョン)」。
わたし個人としてはこれはパンではなくごはんと食べた方がすきかも。
それにしても、ハッシュドビーフはいつ食べても何となくごちそうを食べている気分になる。
ある程度手を抜いても、特別な気分になる、ご馳走気分になる料理はいくつか覚えておきたいなぁ。気分が良くなるし、テンションが上がる。作っていても楽しい。
普段の生活でのごちそうって、こういうものを言うのかもしれないな、と思いました。