トルコ至宝展に行ってきた話
2019/3/20〜5/20 国立新美術館で開催されている「トルコ至宝展〜チューリップの宮殿 トプカプの美」。
この企画展は、イスタンブルのトプカプ宮殿博物館が所蔵する宝飾品、美術工芸品を中心としたものです。
チューリップを愛でた宮殿の生活、オスマン帝国の美意識や文化、芸術観を紹介しています。
この企画展、他の美術館などに行くとチラシが置いてあったり、TwitterなどのSNSでよく見かけていたので、「トルコの至宝が見られるのかー」程度で行きたいなと思ったのがきっかけ。
そして、前日に歴史が苦手な私は「オスマン帝国についての知識、ほぼゼロに近いのでは」と気がついて、まるきり知らないよりは知ってる方がいいかもな、と、オスマン帝国についてざっくり調べ、公式ページのコラムに目を通し、完全に付け焼き刃の知識で見てきました。
トルコ至宝展を楽しむためのミニコラム|トルコ至宝展 トルコ文化年2019|2019.3.20(水)〜5.20(月)国立新美術館
5/15 平日の開館してすぐの時間に入れたので、そんなに混んでない状態で見てられました。
空間センスの良い展示室が世界観に引き込みます。トプカプ宮殿の壁のタイル柄の壁紙が素敵でした。
会場内では所々に、イスラム教のコーランが抜粋された言葉が書かれていたりも。
展示物、まず印象に残ったのが、最初に置いてあった玉座。
大きくて、金色。そしてふかふかのクッション。クッションには模様もある。横から見ても細かい飾り細工があちこちにされていました。
(座ったら足がつかなさそうだなあ、なんて思ってしまったのは秘密です。)
カフタンと呼ばれる服の展示もあったのですが、これは1つ1つが大きいなあ、と。
身長151センチの私からすると「こんな大きな人いないでしょ?」って言いたくなるくらい大きい。とにかく大きい。そして物によっては生地が厚かった…。これを着た本人、動きにくくなかったんだろうか…。
儀式用の品々や、普段から使われていたのであろう、王家が使用していたものが展示されていたのですが、豪華だなあ、と。
金、ダイヤモンド、トルコ石、エメラルドなどなどの宝石がびっしりつけられていました。
金でできた部分や金属部分にも細かく文字が掘られていたり、チューリップの模様があったり、とにかく細かいところまで飾られていました。
その豪華絢爛なもののひとつ、宝飾短剣は、鞘が全て宝石に覆われていたのですが、これを見た私は「鞘だけで鈍器だわ…剣を抜かずともこれで殴れば大丈夫では…」と思ったりしました。はい。
展示品自体はどちらかというと、宝石の施されたものが中心ではなくて、チューリップモチーフのものがメインになってます。
チューリップは宗教的にも強い意味合いがあるとのことで、特にオスマン帝国には愛されたものでした。
トルコ語でチューリップを意味する「ラーレ」の綴りの文字配列を変えると、イスラム教の神、アッラーになるそう。
さらにその「ラーレ」をアラビア文字表記にして逆から読むとトルコ国旗のシンボルである三日月になるとか。
宗教的、国家的な象徴として、チューリップの花は愛されたようです。
チューリップには幸運をもたらすとかそんな意味合いもあるらしい。
玉座や剣などだけでなく、絨毯、壁、タイル、日用品のお皿、さらに脚立にまでチューリップが描かれていて。本の表紙も全てがチューリップ。チューリップ愛が強い。幸せを祈るその圧が強い。
「チューリップ時代」なんて言われるのも納得です。
展示最後の方のコーナーでは日本から送られた品々がありました。
有田焼をはじめ、寄木細工の机などもありました。日本とトルコのおつきあいは明治時代からなのだそうで、そう考えるとつい最近に思えてしまう。
展示品を見て、当時の王宮は、財を示して力を示すような印象もありましたし、様々なものに対して細かく装飾する余裕も感じられました。
一大国家の力の強さを感じましたね。財は力だ。
今回のお土産
グッズコーナーはトルコ特有の模様、デザインのものがたくさんあって見ているだけでも楽しいです。
私は今回の展覧会にあたってはポストカードのみ、と決めていたので他に目移りしないようにするのが大変でした。
展示されていた七宝製バラ水入れのポストカード
ポストカードはいろいろあったのですが、「トルコ至宝展の華やかさとチューリップモチーフがはいっているもの」ということで上のものに。
もうちょっと歴史に詳しければ、もっと楽しめたのかなー、なんてぼんやり思ったりもしましたが、他国の文化、宗教的考えなどに触れられたのは良い経験だったなと思います。
今更ながら、トルコに行かなくてもこういう本物の至宝を見られるなんてすごいことなんだろうな、と思います。
東京の後は京都でも開かれるとのことだったので、時間のある方は足を運んでみるといいかもしれません。