佑ごはんの時間。

気圧が天敵な新米主婦のごはんと生活。

人生初、あんこを炊いた

 

10月中旬、何を思ったのか突然「あんこを炊きたい」と思いました。なんでそう思ったのかよくわからないのですが。

 

9月あたりに、樹木希林さんが主演をした映画「あん」であんこを炊いているのを見て、「あー、あんこって炊くには時間がすごくかかるんだな」なんて思ったのです。そのときは「いつかはやってみたいな」程度だったんですけど。

 

10月になって、ここ2.3ヶ月心身共に疲れることが多く、毎日が大変だったな、少しリフレッシュしたいなーと。心身が大変な時はそんな余裕はないけれど回復し始めると、余裕が出てきたわけです。しかしあまり疲れない料理をしたい。いつものキッチンでの料理だけど、いつもと違うことをしたい。どうせなにかやるなら非日常を味わいたいな、と。

ひどい台風が過ぎ去ったら、一気に秋っぽくなり、外に出れば金木犀の香りが漂っていて。

秋から冬へとむかって、日に日に寒くなる中で「あんこ炊いて炊き立てのあんこを食べてみたいな」、「出来立てのあんこ使っておしるこ作ろうかな」なんて思いついてしまったわけで。

 

それから「あんこ炊きたい!」と騒ぐに騒いで、ついに製菓店で新豆の小豆を見かけた10月中旬、迷うことなくそれを即買いしました。

 

というわけで、次の日、人生で初めて、あんこを炊いてみた。

 

実家ではあんこを炊いたりすることがなかったから、あんこの炊き方をとりあえずネットで調べるところから始めました。

渋切りをして、茹で小豆にして、蒸らして、最後に甘味をつける、って感じにやればいいらしいとわかり、テンション高めに調理スタート。

 

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まだ何もしていない小豆。つやつや。硬い。

 

1.渋切り

最初に渋切り。

渋を抜く作業です。水と小豆を火にかけて、沸騰したらざるに開けるという工程です。

(今回は小豆が新豆で水分の保有量も多い。また、小豆自体は煮やすい豆であること、自宅用にシンプルに炊きたいので、「びっくり水」の工程は省くことにしました。)

一回でいいとか二回やるとかいろいろと流派があるらしいけど、とりあえず初めてなので渋切りは2回やってみる。

 

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渋切りした後の小豆。小豆にシワが出てる。

 

2.下茹で、蒸らし

二回渋切りしたあと、茹で小豆を作ります。

水と渋切りした小豆を火にかけて、沸騰したら弱火。そのままコトコト煮ます。

10分くらい煮ると鍋の前は小豆のいい香りが。早く食べたい。

小豆が水から顔を出しそうになったら途中でお水を追加して、柔らかくなるまで煮ます。

この煮る作業、火加減は「小豆が踊らないくらいの弱火」がいいらしいのですが、踊らないってどの程度…これじゃ弱すぎか???ってなりつつやってました。

 

 

豆が煮えたかは一粒手にとって潰してみる。小豆に芯がない状態になるまで煮ます。

新豆は煮えやすいと聞いたので30分の時点で確認したらまだ煮えず。40分にしたら一気に豆が煮えてきて大きくなってきててびっくりした。

45分も煮たらすっかり柔らかくなりました。

 

柔らかくなったら火を止めて蓋をして蒸らします。蒸らさなくてもいいよー、というレシピも多かったけれど、蒸らすと小豆の皮がふっくらして柔らかくなるというのでとりあえず蒸らしてみることに。

30〜60分くらい蒸らしましょうと言われても、新豆だし十分柔らかいし蒸らさなくてもいいとも言われてるし、うーん、と悩みつつ15分くらい蒸らしました。蒸らしたあとは蒸らす前より確かにふっくら。皮も柔らかめになってる感じ。

あんこを家で炊いた時に失敗した!となる理由の一つに、小豆が中まで煮えてなくて芯が残ってしまったまま砂糖を入れて煮てしまってかたくなる、というのがあるとのことで、蒸らすのは火の通りをしっかりさせる意味でもまあよかったのかなー、と思います。

 

ざるにあけて水を切ります。

(このまま残った水に砂糖を入れる人もいるそうです。もうこの辺りは好みの問題らしい。今回は出来立てをおしるこにしたかったので一回水を切って甘みをつけます)

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これで茹で小豆の完成!

 

この時点でとてもとてもあんこっぽい。さあ、一気に仕上げます。

 

3.甘みをつける

ついに甘みをつける作業に入ります。小豆と砂糖は1:1くらいのベーシックな割合よりは少し甘みを抑えたいなと思ってました。小豆200gに対してとりあえず砂糖は180gくらい。甘すぎるのは食べるのに辛くなるかもしれないですし。

いざ砂糖をはかるぞというときに、普段料理に使っている甜菜糖がもうすぐなくなりそうなことに気がつきました。まあしょうがない、自家製のあんこだし、家で食べるだけだからある砂糖を使おう、と諦めて、甜菜糖とグラニュー糖あとお土産でもらって余っていた和三盆の3種類を混ぜることにしました。甜菜糖が80g、グラニュー糖90g、和三盆10g。

 

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こうしてみるとすごい砂糖の量でビビる。

 

茹で小豆、水、砂糖、ほんのちょっとの塩をお鍋に入れて火にかけます。

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沸騰し始めたらまた弱火でゆっくり煮ていく。焦げないように混ぜて。混ぜて。

今日はこのまま出来立ての汁気のあるあんこを使っておしるこを食べようと決めていたので、煮詰めすぎず10分くらい、お汁粉にするにはちょうどいいくらいになったらできあがり。

 

ただの小豆があんこになってる感動ったら。

 

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完成したあんこ。お汁粉用なのでまだ水分が多くてゆるい。

 

 

出来立てのあんこをおしるこで

ということで、まずはおしるこを食べようと。

出来立てのあんこを器によそい、焼いたお餅をのせ、ついでに緑茶を入れておやつに。

 

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ちゃんとあんこになってます。おいしい。甘みもちょうど良いし、渋みもない。さらっと食べられるおしるこ。

初めて炊いたあんこなのでいろいろ失敗するかも。砂糖あんなに入って甘すぎないかな、と思っていたけれどそんなことなかった。

豆もしっかり煮えているし、甘みの中に小豆の味もする。すっきりした食べやすい甘さ。甜菜糖使ったのがよかったのか、砂糖と小豆の割合がよかったのか、両方なのか分からないけれど。

 

夫もおいしいとあっという間に食べ終わっていて、私個人のよくわからない唐突な欲求のために炊かれたあんこがこうもいい反応になるとは。嬉しい。

 

 

あんこの保存

さて、おしるこに使わない分、残ってるあんこをさらに少し煮詰めます。おしるこのあと追加で10分程度弱火でコトコト。

あんこは水分が飛びやすいので、まだ少しゆるいかな、くらいで保存するバットにいれて、濡れ布巾をかけて粗熱をとります。

冷めたものがこちら。

 

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ツヤツヤして、水分も程よく飛んでいい感じ。

少し食べてみたらさらにすっきりした落ち着いたあんこになってました。

 

因みに2〜3日では食べきれない分は小分けして冷凍庫へ。大匙で山盛り1杯分(トーストにのせたりパンケーキにのせたりするのにちょうどいいくらい)ずつラップで小分けし、保存袋に入れました。

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朝食にあんバタートースト

とりあえず朝ごはんにと、名古屋の方でよく食べられるあんバタートーストをやってみました。東北出身の私にはあまり馴染みのない食べ方。小倉トーストとも呼ばれるやつです。

 

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最近気に入ってる「パンにおいしいよつ葉バター」をトーストに塗り、上にあんこをのせてみる。あんこは粒々がしっかり立ってるのでのっける感じ。

食べてみるとなるほどこれはおいしい!

バターのコクと塩気にあんこって合いますね。

あんこの粒が市販品よりしっかりしてたのが私としてはすごく好み。こういう粒あん好きだなー、と。

 

 

自家製あんこで蒸しパン

これはあんこをそれなりの量使って、和菓子系以外に何か使えないかなと考えてたときに見つけたこのレシピを参考に。

砂糖不要の手作り簡単おやつ、素朴な甘さのあんこ蒸しパンレシピ - 北欧、暮らしの道具店

 

あんこ自体についてる甘さを使って、生地に砂糖を使わずに作る蒸しパンです。

ベーシックな蒸しパン生地にあんこを混ぜて蒸しあげます。材料のバターは今回はベーシックな蒸しパンによく使われるサラダ油に変更。あんこ自体が甘さが控えめなのでレシピより少し多め130g。

 

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蒸しあがったばかりの蒸しパン。

 

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型から外すとこんな感じ。

 

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中はあんこがぎゅっと詰まってる。

 

あんこの甘さで生地も十分甘みがあって食べやすい蒸しパンになりました。これはおいしい。次あんこを炊いたらまた作りたい。

本当は一緒に刻んだバナナも入れたかったのですが今回は買い物に行けずあんこだけ入った蒸しパン。抹茶とかくるみもよさそう。

 

あんこ炊き、すごく楽しかった。

あんこを炊いていて思ったのは意外と簡単ということ。基本的に煮ていればいいだけだから、体力的にも辛くない。普段の料理とは違うことをして非日常感を味わえたのでリフレッシュできましたし。

個人的にはこしあんより粒あん派なので自家製あんこのつぶつぶさ、気に入りました。あと、自分で作ったにしては思ってたよりおいしい。好みの甘さに調整できるっていうのも魅力的です。

そして作業が楽しかった。豆が柔らかくなっていくのを指で潰してみて確認したり、茹で小豆に砂糖入れて煮詰めていく過程も、できたあんこでなにを作る考えたり、実際作るのも。

 

炊いたあんこも思ったより簡単に消費できることが判明したのでまた寒い季節の間にやろうと思っています。

 

年始は自分で炊いたあんこであんこ餅を食べたいな。

 

 

参考リンク

おいしい小豆の煮方/ぜんざいのレシピ:白ごはん.com

粒あんの作り方