佑ごはんの時間。

気圧が天敵な新米主婦のごはんと生活。

クマのプーさん展に行ってきた話

 

4/9 クマのプーさん展に行ってきました。

2/9〜4/14の間、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「クマのプーさん展」。

 

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イギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館に所蔵されている、クマのプーさんの原画や資料などのコレクションを中心に200点以上の作品で構成された企画展で、ロンドンとアトランタ、ボストンと巡回したのち、日本で開催されるとのことでした。

 

因みに、今回の企画展は、日本で東京、大阪と開催したあとは、作品の保存のために10年の間はV&A博物館で保管され、非公開になるとのことで、10年後また日本に来るとも限らないし一生に一度のチャンスかもしれない、と東京での閉幕ギリギリに足を運びました。

これだけのボリュームのクマのプーさんの企画展が開催され、それを見られる機会ってなかなかないです。

 

 

平日昼間だったので割とゆっくり見られた。

休日は会場に入るまでの待ち時間があったりもしたそうだし、3月の末ごろには来館10万人突破、とも言っていたので、人気なんだなーと。

流石プーさん、世界で(多分)一番有名なクマなだけあります。

 

 

「これが、プーさんの原点(オリジナル)」というキャッチコピー通り、オリジナルの初期の頃のスケッチから始まり、最後の最後までぎゅっと詰まったプーさんの世界の展覧会だったように思います。

 

会場入るとまず大きなモニュメントが。

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"Hallo"と、プーさんの言い間違いをそのまま書いてあって、最初から世界観に引き込まれるなあという感じ。


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クマのプーさんは作者のA.A.ミルンが息子に読み聞かせた話です。

プーは息子が持っているくまのぬいぐるみ、登場する他のキャラクターもぬいぐるみということで、E.H.シェパードがぬいぐるみのスケッチをしたものとか、プーたちの住む森を考えるにあたっての木のスケッチや森の中のスケッチといった制作にあたっての資料が見られたりもするのも素敵。

 

キャラクターたちのそれぞれの性格を鉛筆画の線で表しているのだけど、プーさんも、その仲間も表情は基本的に目の点とかなのに、寂しそうな顔に見えるように構図に気を配っていたり、耳の動きで感情をよく表現されていたり。

 

A.A.ミルンの言葉の使い方も素敵だけれど、そこからさらにE.H.シェパードがわかりやすく愛嬌のある挿絵を描くのがとても上手だったんですね、うん。

二人のやりとりした手紙もあり、仲が良かったことなど伺えてほっこりしました。

 

プーさん、というと、ディズニーのプーさんのイメージも強いけれど、やっぱり原作を読んだことがある私としては挿絵の原画を直に見られるのはとても見応えがありました。

原画でたどるお話は懐かしいものも多く、あぁ、この場面知ってる!となったり。

 

あまり意識したことはなかったのですが、展示を見ていると、クマのプーさんの本は、文章と挿絵のバランスやデザインもしっかり考えられていたんだなーと。

読んでるこっちがわくわくしたりするには理由があったんですね。子どもたちが本の中の世界に入れるよう、言葉と挿絵、その配置に、仕掛けがたくさんしてあったことに気がついたりできるのも面白かった。

(A.A.ミルンの言葉を子どもたちがより理解できるようにE.H.シェパードが挿絵でわかりやすくしていたりとか。)

 

世界中で愛される理由は、お話の中のキャラクターたちが挿絵でも生き生きと描かれてたのも大きいのかなと。

それと、なによりプーさんも、クリストファー・ロビンも、コブタもイーヨーも、ウサギもトラーもカンガもルーも、フクロも、出てくるキャラクターみんなの性格を大切にしているんだなと。それぞれの考え方や性格が、物語の展開に反映されていることを再認識。

見た目だけでなく中身も愛らしい。

 

 

今回の展覧会では、会場内が一部写真撮影可になっていて、接写は禁止のものの原画のあるブースも写真に撮れました。

個人的には会場全体も「クマのプーさん」の世界になってて楽しめたな、とも思います。

 

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物語に出てくる風船や傘が吊るされてたり。

 

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クリストファーロビンとプーが川を眺めている有名場面があったり。

 

原画の説明のところには、お話の簡単な内容と、読み手への問いかけがありました。

原作を読んでいる人たちならなおさらしみるであろう問いかけは、本の中の世界に浸れる仕掛けのひとつだなーと。

展示されている原画以外の会場内の雰囲気も含めて楽しめました。

 

それと、日本の展覧会での特別展示として、プーさんの日本語訳を初めて行った石井桃子さんについての展示もありました。

翻訳の資料からは、彼女がプーさんに対してどれほどの熱量を持って翻訳を行なっていたかもわかります。

 

これからまたプーさんを読み返す人、初めて読む人はぜひ石井桃子さんが訳したものをまずは読んで欲しい。

 

 

クマのプーさん (岩波少年文庫 (008))

クマのプーさん (岩波少年文庫 (008))

 
プー横丁にたった家 (岩波少年文庫(009))

プー横丁にたった家 (岩波少年文庫(009))

 

 

 

今回の展覧会、とにかく原作読み直したくなりました。鉛筆画がほとんどだったので、それら1つ1つが華やかな印象はないですが、鉛筆画だからこその風合いがとても素敵でした。行けて良かった。

そして私自身はディズニーの描くプーさんより、オリジナルの方が好きなんだと再確認。

大満足でした。

 

そして「プーさんの着ていた上着はもともと青のつもりが、ディズニーによって赤い服のプーさんが生まれ、その後色をつけたプーさんの上着は赤い」という旨の話を見て、「うわあ、ディズニー強い…」と思ったりなんだり。

 

 

今回のお土産

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左上から時計回りに

V&A博物館からの直輸入グリーティングカード

会場限定 活版印刷ポストカード

会場限定 ポストカード

 

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会場限定 ハニービスケット

 

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ポストカード類の宛名面にはそのシーンの文章もあって「読めるポストカード」になってました。

 

限定のポストカードはかわいいものばかり。

有名なシーンも多く、そもそもポストカードだけでも種類がたくさんあって選ぶのも困ってしまいました。10枚くらい欲しいものからここまで減らすのが大変だった。

 

 

あと数日で東京でのクマのプーさん展は閉幕しますが、大阪でもこのあと開催されますし、時間と機会がある人は是非足を運ぶといいと思います。

もし、原作を読んだことがないのなら、先に読んでから展覧会に行くと「ああ、この場面!」と分かるだけでグッと楽しめる幅が広がりそう。

行けばきっと、世界一愛される(と思う)クマとその仲間たちのお話が読みたくなるんじゃないかしら。

 

 

 

「ぼくは、ばかだった、だまされてた。ぼくは、とっても頭のわるいクマなんだ。」

「きみは、世界第一のクマさ。」