ムーミン展に行ってきた話。
4/9〜6/16まで六本木 森アーツセンターギャラリーでやっている「ムーミン展」。
先日記事にしたトルコ至宝展の流れから、5/15に行ってきました。
ムーミンはフィンランドの芸術家 トーベ・ヤンソンが生み出したキャラクターです。
今回は、フィンランドにある「ムーミン美術館」から、ムーミンの原画やスケッチ、トーベがムーミン以前に手がけた雑誌の風刺画の原画などが展示されている企画展ということでした。
原画、イースターカードやアドベントカレンダーなど500点ほどの作品展示。なかなかボリュームのある企画展でした。
平日なのもあってゆっくりじっくり見られました。
私はムーミンの知識はアニメ版をちょっと見たことある、小説もシリーズ一作めを一回くらいは読んだことあったかな…本当に記憶の片隅にあるレベルなんだけど…という感じでした。
展示はまず、ムーミンの原画を小説シリーズとともに追っていく感じから始まりました。
最初の頃のムーミンは、丸みがなくてシルエットが尖っていて、なんだか怖いというか、妖怪とかお化けに近い雰囲気があるけれど、だんだん丸みを帯びてきて見慣れたムーミンになっていきます。
ミッフィーもそうなのですが、こういったキャラクターは同じ人が描いているのに、何年も描かれていくうちに少しずつ変化していく姿が面白い。デザインとしてシンプルになって印象も愛らしくなっていくのが多いんだなーと思ったり。
それにしても、トーベ・ヤンソンの線画の細かさがすごい。以前行ったプーさん展もなかなか細かいなーと思ったりしたのですが、トーベ・ヤンソンは本当に本当に細かい。
スクリーントーンなしで、よくここまで細かく描けるなあ…と。背景の山とかよく見ると全部小さな点が描かれていて、それで濃淡がついてるように見えたり。これ手書きなのかと思うとため息出ます。
原画を見るにあたって、1つずつムーミンのお話の概要を確認できるようになっているのですが、お話を改めて確認すると面白いなと。
あまり知識のない形だったので、キャラクターも名前が一致していて、性格はなんとなくのイメージだったせいで、ムーミンパパの行動が意外にもアクティブに見えてしまった。
ムーミンパパ、少年の心がずっとあるパパすぎる…。ムーミン谷離れて家族連れて島に移住したりしてるの…そんなことしてたの…。
ムーミンママがそれに対してムーミン谷を懐かしくなってしまって、なんとなくギクシャクしてる家の中…。家族のあり方をみんなで見つけていくとか、そんなストーリーあったの…。とかひとりでびっくりしてましたね。
妙にリアリティのある話です。原作読んで行けばもっと楽しかったろうな…。
ムーミン絵本の変遷の他に、本ではないムーミンの作品が展示されてます。
カラーポスターや、すごろく、タオルのデザインなどなど。
色使いが華やか。きつくない色の組み合わせで、でも華やかさがある。
さらにトーベ・ヤンソンがムーミン以前に手がけた雑誌に載せた政治風刺画の展示があったのですが、これがセンスがいい。面白い風刺画も多くてじっくり解説の文章も読んでしまいました。
最後の方には日本の浮世絵にトーベ・ヤンソンが影響を受けたとかで、似ている構図だったり同じモチーフだったりを浮世絵とともに展示してありました。
これが結構はっきりと影響を受けたとわかるものから「影響受けてる…ような気もする…?」となるものまで。歌川広重や葛飾北斎のおなじみの浮世絵と並べられていて見比べるのが楽しかった。
ムーミン展、見所がたくさんあって楽しかった。
展示の最後には撮影スポットが。
ムーミンたちが本から出てくるオブジェクト。かわいい。
今回のお土産
ポストカード2枚
リトルミイが巨人の足にガジガジしてるのかわいい。
今回の展覧会のポスターに起用された絵のポストカード。
東京でのムーミン展は6/16まで。
その後は大分、石川、名古屋と各地を回るようなので、機会がある方は見にいくといいと思います。
行けばきっと、ムーミン谷のお話を読みたくなるはず。(私も近いうちに読むぞー。)
「生きるって、素晴らしいことだなあ。どんなものでも、なんの理由もなしにいっぺんに変わることがあるんだね。」